つまづくことで見えないコードを解読する
ピュアな意識で飛び込んでいく
僕が面白いと興味をひかれる人たちに共通しているのは、
つねに斬新な視点をもってものごとに取り組んでいるところです。
「素人でいる覚悟」があるといえる人たちでしょうか。
これは現代美術作家の宮島達男さんの言葉です。
宮島達男さんは ヴェネツィア・ビエンナーレに
「MEGA DEATH」という作品を出品し、
世界的に認められている人です。
「玄人という垢がついてしまうと恐ろしくて出来なくなってしまうことがある。
そこに素人というピュアな意識で飛び込んでいくことが大事。
そういうピュアさを持っていないといけない」
ふつう私たちは何をするにも知っていることを手がかりにします。
分かっている領域、手馴れた領域をいかに増やすか。
でも慣れ親しんでくると、だんだん感覚に刺激として入ってこなくなり、
慣れていること自体が盲点となり、それ以外が見えにくくなってしまいます。
つまり知っていることには大きな驚きがないわけで、
直観的に「!」と感じる発想や体験は、常に知っていることの外にあります。
フィールドワーカーは初心者でいるプロ
分野は異なりますが、文化人類学者のグレゴリー・ベイトソンが
新しい発見についてこう言っています。
フィールドワークは、つまづくことでそれまで見えなかったルールを発見するもの。
それは新たな「コード」の解読である。フィールドワーカーは、
つねに「初心者でいるためのプロ」のことである。
そしてそのためには、
「適切な不安と向上心」が大事であるとベイトソンは言っています。
もちろん道を極めていくこと、プロフェッショナルであること、
その大切さを否定しているわけではありません。
しかし創造性を発揮してさらに新たな光明を見出す(コードを解明する)ためには
「初心者でいるためのプロ」という姿勢が、かならずその手助けになるはずです。
アウェアネスアート®研究所でも、
「いつもと違う角度から世界を眺めてみよう」をテーマとしています。
目覚めるアートを手がかりに、
不安定でいることに挑戦し
瑞々しさをもって探求する
「素人でいる覚悟」は創造のためのキーワードだとぼくは理解しています。
news!
さてお知らせです。
【プロジェクトENトランス2016】を開催します。
11月25日(Fri)18:00~20:30 @北青山
これは2015年から始まった、ディスマーゆかりさん、大林徳二郎 さん、
佐々木裕二さんとぼくの4人が繰り広げるアートプロジェクトです。
アートをテーマにした、自分の意識を探索する「フィールドワークの場」。
今年のテーマは「脱-同定」
あなたのなかに隠れていた創造性がここに目覚めるかも!
●ご案内
【プロジェクトENトランス2016】facebookページ》》》
アウェアネスアート®研究所 主宰 新海正彦